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著作権の中でも最も重要な権利の一つに「複製権」があります。最近は、CD-ROMやDVDなどが普及しているために、自分で気に入った音楽や映像をコピーして保存している人もいるでしょう。ですが一歩間違えてしまうと、複製権を侵害してしまうこともあり得ます。「知らなかったから」というわけにはいきません。「複製権」を侵害してしまわないためにも、どのような権利なのかを知っておいてください。

複製権を知る

複製権は、著作権法第二十一条で規定されている著作財産権です。第二十一条では「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」(『社団法人著作権情報センター』 http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html#021より)と明記されています。作品を複製してもよい、と許可できるのは本来その著作者のみなのです。

複製権の重要性

複製権の重要性

この複製権は、著作財産権の中でも重要な権利の一つです。「複製」とは、作品を印刷、写真に撮影、かき写し、録音、録画、複写などが含まれます。また、スキャナーでパソコンに取り込むことも複製にあたります。今の時代、簡単に作品を複製することができますが、誰もが無断で複製を繰り返していると、作品を生み出し販売している著作権者の売り上げが減り、収入がなくなってしまいます。それを防ぐための権利が複製権なのです。通常、本や雑誌などに掲載される作家の作品は、著作者である作家自身が「複製権」と複製品を販売する権利である「譲渡権」を出版社に委託されます。そして、出版社から報酬を受け取ります。このように、複製権は、著作者が次を作り出すための収入を保護しているのです。複製権の役割は、著作者が出版社などに「複製することを認める」権利なのです。

複製権の侵害はどこからか

複製権の侵害は?

自分が購入したCDやDVDを友人にコピーしてあげたり売ったりすること、これらも複製権の侵害にあたります。複製権の中で、複製が認められているのは、個人で楽しむ等の私的使用のためだけで録画・録音する場合は、複製権の侵害にはなりません。ですが、コピーしたものを誰かに貸したり販売したりすると、その瞬間から複製権を侵害することになるのです。個人が個人へコピーしたものを渡してもわからないから平気、と思っている人もいるかもしれません。しかし、これらの行為は複製権侵害に当たり、著作者に影響を与えてしまうのです。