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口述権、正直あまり聞きなれない言葉かもしれません。これも著作財産権の一つで、公の場で朗読会をするときなどに関係してきます。テレビや映画などのように大々的に公の目にうつることはないので、ちょっと地味なイメージがあるかもしれません。声に出して作品を読むことで多くの人に内容が伝わるため、口頭で伝える場合にもやはり著作権が発生するのです。

口述権を知る!

口述権は、著作権法第二十四条で規定されている法律で「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する」『社団法人著作権情報センター(http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html)より』と明記されています。これは、著作物を書いた本人が、口頭でそれを読み上げてもいいか、それともダメなのかを言える権利のことを言います。

口述権と上映権の境目

口述権と上映権の境目

著作物を読み上げるなどして公に伝達する権利のことを言います。「口述」に含まれるものとして、著作物を朗読したものを録音して再生することも入ります。この口述権は、自分が書いた著作物を第三者が声に出して読み上げてもいいかどうかを言える権利のことですが、この著作物に対してセリフを付けて身振りなどをして表現すると、演劇的なものとして、上映権(著作権法第22条)となってしまいます。動きのある読み方をすると、口述権ではなく上映権になってしまいますので、口述権を主張する範囲は狭まっていくわけです。

絵本の読み聞かせは?

絵本の読み聞かせは?

幼稚園や保育園、児童館などで保育士さんが子供達に絵本を読み聞かせする場面がみられます。これは日常的にされていることでしょう。厳密に言えば口述権の範囲に入るのでしょうが、感情を込めてみたり、表情をつけてみたりすることで、先ほど述べた上映権に影響してくるのです。これらをふまえても、口述権というものの範囲が狭められてきているとは思いませんか? 数ある著作権の中でも、最も効力の小さい権利なのかもしれません。無断で著作物を公衆に口頭で伝達すること、離れた場所へのスピーカーなどを使用しての伝達なども口述権には含まれますが、これを「口述権」として主張するには数々の壁があるということになります。

無断で使用できる条件

この口述権を無断で使用できる条件として、非営利・無料であるということが挙げられます。これまでに公表されている著作物であり、口述するにあたり、営利を目的とせずに聴衆や観衆から代金をとらないこと、口述者などに報酬が発生しないことなどが条件となります。