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著作権は文章や映像だけではありません。絵画などの美術品、漫画にも当然存在しています。これら芸術品は、大衆の目に触れることも大切です。ただの著作権だけでなく、同時に展示権も発生します。偉大な画家や作家達の手で生み出された作品に関する著作財産権の中に「展示権」があるのです。あまり耳にしないこの権利、一体どんな権利なのでしょうか。

展示権を知る!

展示権は、著作権法第二十五条で規定されている著作財産権です。第二十五条では「著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する」『社団法人著作権情報センター(http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html#025)より』と明記されています。つまり、展示権とは作品を生み出した本人(著作者)が展示をするための権利です。

写真の原作品の定義のわけ

写真の原作品の定義わけ

展示権の原作品の定義を見ると、美術品(絵画や彫刻)は作られた作品そのものを言いますが、写真の場合は「発行されていない」ものと範囲が決められています。これはなぜなのでしょうか。写真の場合、絵画と違いネガがあります。しかし、ネガそのものは「原作品」とは認められず、プリントアウトしてはじめて「原作品」とされるのです。写真は、ネガがあれば何枚もプリントすることができるため、どれが原作品なのかがわからなくなります。そのため、まだ誰にも発表・発行していないプリントアウトした作品を原作品としているのです。

売買されたときの展示権の行方

売買されたときの展示権の行方

絵画や写真など作品が売れて、作品を生み出した画家や写真家、つまり著作者の手を離れた場合の展示権はどうなるのでしょうか。売買されると、作品を手に入れた人には「所有権」がうつります。ですが「著作権」と「所有権」は別もので、所有権は移っても著作権は著作権者(作品を作った人)のままです。 ですが、もし未発表の作品を誰かに売買もしくは譲渡した場合はどうなのでしょうか。この場合、公表権というものが関わってきます。公表権とは、その作品を世間一般に公表するかしないかを決めることができる権利です。未発表の作品が誰かの手に渡った場合、公表権に関しては「同意した」とみなされます。つまり、手に入れた人は公表する権利の同意を得て、そして展示することも可能なのです。